「学習障害、電子機器で克服」への意見

まいど、ブレインジムからあげ先生・灰谷孝です。

全国行脚118日目、高知市に泊まりました。

今日のブログは力入っています。

(いや、いつも入れてますよ、入れてるんですよ。今日は特に、です。^^;)

高知新聞 10月24日付記事より

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「学習障害 電子機器で克服」

知的な遅れはないが、読み書きなどの修得が困難な子どもたちに、パソコンなど身近な電子機器を使わせることで障害を補い、克服させる試みが始まっている。

「パソコンで文章をうつのは、手で書くよりもずっと楽」と話すのは東京都の小学4年生、○○くん。

(中略)

全員にアイパッドが配られ、授業ではノートも鉛筆も使わず。文章を書くときはキーボードで入力。カメラ機能を使って板書を撮影しノート代わりにしたり、先生の話す場面を録画撮影してメモ代わりにしたりする方法も教わった。

(中略)

小 1の時に広汎性発達障害のアスペルガー型と診断された○○くんは、読むことは問題ないが、書くのは苦手で、特に漢字は覚えにくい。母親の○○さんは、「な ぜ文字を書くことがそれほど疲れるのか、親にも理解できない」としながらも「ノートの代わりに板書を写真に写すことなどが許可されれば、息子は授業に参加 しやすくなるかもしれないと思う。みんなと同じペースで板書を写す努力は、息子には負担が大きく、学習意欲を失ってしまうのでは」と心配する。

(中略)

「自信を失っている子どもたちに、まずは障害は克服できる、ということに気づいてほしい」としている。

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この記事では、学習障害において書くことの困難が発生する理由には触れていません。
理由はわからないが、電子機器を使うことで、その困難を軽減することができるとしています。

学習を支援する方法の一つとして、電子機器を使うことは、柔軟な選択肢であると思います。

しかし、僕としては3点の危惧を持ちました。

・読み書きの困難な状態に対する、身体的な理解に至っていないのではないか。
・心身の発達を促す内部変化でなく、外的、対症療法的な方法だけにおちいらないか。
・電子機器の過度の使用による、特に視覚からのストレスの増加による影響はないか。

■読み書き困難は「聴覚」の課題

学習障害は聴覚の課題です。
記事中にある「漢字は覚えにくい」という内容からも、聴覚的な課題を抱えている事が考えられます。 先生にゆっくりしゃべってもらうだけでは、そのこと自体は 解決しません。その後の社会に出て行くことも考えたら、自分の心身を発達させて高め、学習や仕事に向かっていくための支援があることも知ってほしいと思います。聴覚スキルを向上させるには、耳や前庭感覚を高めるようなエクササイズが役に立ちます。

■書きにくいのは「微細運動」の課題

そもそも、ipadは操作しやすいのに、鉛筆が書きにくいのはどうしてでしょうか?
ipadのキーボード操作も結構難しいと思いませんか?

ポイントは「親指」の使い方の違いです。

人間の動きには粗大運動と微細運動がありますが、書くというのは微細運動です。

粗大運動・・・全身を使った大きな動き
微細運動・・・手先の器用さなどを使う小さな動き

書くことには微細運動スキルが必要ですが、読み書きが困難なお子さんとセッションしていると手に余分に力が入っている子が多いのです。

実は、僕自身も板書が苦手でした。すぐに手が疲れて、腕がしんどくなるので、板書をすることが苦痛、でも周りのみんなは何も問題なさそうにやっているので、自分の頑張りが足りないのだと思っていました。

書くのが苦手ということは、他の不器用さにも関係してくるかもしれません。例えばお札を数えたり、お箸をきれいに使ったりすることにも関わっています。

学習困難なお子さんの中には、微細運動に必要な、微妙な力の入れ具合や親指の使い方が十分に発達していない場合があり、そのようなことが、頑張ってもできないことにもなります。また体の中心で書くのが難しいという状態を表しているかもしれません。

ですから、書きにくさというのは、見た目以上に色んな身体の発達が関係しています。

電子機器で「解決」するだけではなくて、学習の困難を、脳と体の発達の観点からサポートしているブレインジムインストラクターに一度相談してみてください。

■「書く」ことは「話す」こと

書くこと=拇指対向性(親指の他の指と向き合わせて使うこと) は、発話することとつながっています。つまり、書くことと、自分の意見を述べられるようになったり、人に考えを説明できるようになること、とはつながっています。

ipodでは、拇指対向の動きはほとんどないように思います。

書かないでラクに学べる、というのは人間らしい「発話する」「言語を使う」という発達に対してはリスクがあると私は、考えています。

ですから、電子機器はうまく活用しながらも、書くこと自体が放棄されないように周りもサポートする必要があるのではないでしょうか。

■目を緊張させることは、全身を緊張させること

電子機器(ipadやパソコン)による目へのストレスのことについては、この記事では触れられていません。

現代では、多くの子どもたちが目からのストレス(テレビの見すぎ、ゲームのしすぎなど)をたくさん受けていることで、学習場面における様々な影響が出ている、と考えられています。
例えば集中が上手くできなかったり、感情的なコントロールが難しくなったり、という状態です。

とくに発達の課程として遠視気味になっている子どもの目に対しては、電子機器の画面を見続けるということがどれくらいストレスになるか、ということです。

あなたにも目が疲れると肩がこる、ということがあると思います。

目が凝る、ということは、首回りや肩の筋肉が凝るということですし、全身に影響します。

アスペルガーや自閉症のお子さんの多くに、肩こりや背中の筋肉の緊張、ふくらはぎが非常に硬い、という状態が見受けられます。

そういった目からのストレスを軽減し、全身をリラックスさせておけるようなエクササイズがブレインジム(初級クラス)やビジョンジム(中級クラス)です。

科学技術の利用と同時に、心身のストレスを軽減して、学びやすい状態を自分で作れる

【自分で自分を育てる】ようなツールをもっていることこそが本当の「克服」につながるのではないでしょうか。


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