恐怖麻痺反射
Fear Paralysis Reflex(FPR)
「引っ込み」というのは、静かになる、というだけではなくて、時に金切り声をあげるような反応になることもあります。
また、恐怖麻痺反射(FPR)の保持によって、下記のような兆候に結びつくことがあります。
- ストレス耐性が低い
- 肌、音、視覚的な変化などへの感覚過敏
- 状況が変わったり、驚くような出来事が嫌い
- 柔軟に対応できない
- 疲れやすい
- すぐに息をつめる(止める)
- 人前で恥をかくような状況が怖い
- 自己信頼、肯定感が低い
- 愛情を受け取るのも表現するのも苦手
- 自己否定が強い
- 極度な恐れ、被害的な妄想
- 新しい活動を嫌う、特に誰かと比較されたり、優劣が出るような活動
- かんしゃくをおこす
- ストレス状況で固まる(考えることと動くことが同時にできない)
(本当は好きなのに、「嫌い!」というなど)
モロー反射
Moro Reflex
- 突然の音、光、刺激による感覚過敏反応
- 新しい状況や活動への参加対応が難しい
- 衝動的な振る舞い
- 被転導性(思考や注意がそれやすい)
- 不安、特に予期不安(未来への不安)
- 感情的、社会的な未熟さ
- 偏食、食品添加物への過敏
- 活動過多(ハイパーアクティビティ)
- ADHD
- 副腎疲労症候群、アレルギー、喘息、慢性的な病気
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吸綴反射/探索反射
吸綴反射
Juvenile Suck Reflex
吸綴反射の保持によって、下記のような兆候に結びつくことがあります。
- 言葉や発音の問題
- 飲み込んだり、噛んだりすることが困難
- 話しながら同時に手作業することが困難
- 書くときに頻繁に舌や口が動く
- 噛んだり、話したりするときに、特に手が不器用
- 不正咬合Class II (下顎が奥に入っている:受け口の反対)
探索反射
Rooting Reflex
軽く頬に触ったり、唇の端が刺激されると、赤ちゃんは刺激された方に顔を向け、吸うための準備として舌を舐めずるように出します。この反射は、お母さんのおっぱいを吸うための助けになります。
探索反射の保持によって、下記のような兆候に結びつくことがあります。
- 口周りの感覚過敏
- 舌が前に突きだしている
- 口から食べ物をこぼす、たらす
- 話すことの問題
- 噛んだり、話したりするときに、特に手が不器用
- ホルモンバランスが悪い
パーマー反射
Palmer Reflex
通常、乳幼児はパーマー反射が活性化されています。パーマー反射は手のひらに何かが触れると、3本の指が手のひらを握るように動きます。この反射は将来ものを「握る(親指と他の指で物を持つため)」ために統合される必要があります。
もし、この反射が保持されたままになると、文字を書き写すことが苦手になるだけでなく、アイデアを思いつきそれを書き記すといった大切な能力に影響が出ます。
パーマー反射が保持されていると、指や手先だけを動かすような動きの最中に、他の全身の筋肉の働きが弱くなる傾向があります。
例えば、ピアノを演奏したり、プラモデルをつくったりようなときに元気がなくなるような感じがあるかもしれません。
パーマー反射の保持によって、下記のような兆候に結びつくことがあります。
- 微細運動能力に欠如(手先が不器用)
- 不適切な鉛筆握りや手書き能力の不足
- ピアノをひいたり、手作業するときに姿勢が崩れる
- アイデアを紙に書き出すことが難しい(処理に時間が掛かる)
- 机やパソコンで作業するとき、姿勢が悪いか、背中に痛みが出る。
足底反射
Infant Plantar Reflex / Babinski Reflex
パーマー反射と反応が似ていて、足の内側に触ったときに、まるで、触ったものを掴むかのように、つま先が屈曲するか、内側に巻いたようになります。
もしくは、親指が反ったり、足指が開いたりします。
足底反射の保持によって、下記のような兆候に結びつくことがあります。
- 歩き方がぎこちない
- 走り方が引き用
- バランスが良くない
- 靴をはくときに指が巻いているので、靴の脱ぎ履きを学ぶのが困難
- 走りながらバランスや身体協調性がいるスポーツが困難
- 歩行や立っているときに、腰に痛みを持ちやすい
- むこうずねが痛い、硬い
- ねんざがクセになりやすい
- 暗いところで歩くのが難しい(視覚がバランスをとることの助けになりにくい)
(サッカーなど)
脊髄ガラント/ペレーズ反射
Spinal-Galant/Perez Reflex
- じっと座る能力(もぞもぞ、たえず身体を動かしている「そわそわ落ち着きのない子ども」)
- 注意と集中に問題
- ぎこちない歩様
- 膀胱コントロール(寝小便が一般的にみられる)
- 脊柱側弯症の発展要因
- 物を操作するときの不器用さ
- 運動やスポーツにおける身体柔軟性や機敏さへの影響
- 腰痛や背中の緊張
緊張性迷路反射
Tonic Labyrinthine Reflex(TLR)
TLRを保持したままの子どもは、真っすぐと立つこと、安全に歩くことなどの歩き始める時に必要な能力を習得していません。また空間把握、距離感、深さやスピードなどを掴むのが難しいかもしれませんので、黒板の文字が飛び出して見えたり、ボールを受け取るのが難しかったりします。
TLRを統合することにより、大きく3つのことに進歩がみられます。
一つに、机に突っ伏して座る、頬杖をつくようなコトを止める手助けになります。
次に、机で作業するときに集中力が高くなります。
そして、運動や走るときなどの、ぎこちない体の動きが改善されて、全身協調を高めて動くコトを助け、より効率的に動けるようになります。
TLRの統合によりこういったことに進歩が見られると、運動やスポーツの記録においても自己ベストを更新するようなことは良く起こります。
緊張性迷路反射の保持によって、下記のような兆候に結びつくことがあります。
- へなへな、ふらふらしている
- バランス感覚が良くない
- 動きがぎこちない
- でんぐり返しが綺麗にできない
- 姿勢良く座れない
- 方向・空間感覚をつかみにくい
- 視覚の問題(字が飛び出して見えるなど)
- 空間、距離、奥行きやスピード感がつかみにくい
- 全身運動の協調性が低い
- 机で学ぶときに、読むことを嫌がる、疲れる
- 机の前で正しい姿勢を維持することが困難
- 本来持っている能力ほどにスポーツのパフォーマンス(成果)が上がらない
(ボールの受け取り、黒板の文字)
非対称性緊張性頸反射
Asymmetrical Tonic Neck Reflex(ATNR)
- 手と目の協調の困難
- 文字を書くのが苦手、遅い
- ぎこちない鉛筆の握り
- 黒板の文字を写すのが難しい
- 読んでいる文字や列をすぐ見失う
- キャッチボールが難しい
- 正中線をまたぐのが難しい
- 視覚トラッキングの発達を妨げる
- バランス感覚が阻害される
- 体の左右を別々に動かすことが難しい
- 利き手・目・耳が確立しない(学習に大きな問題がでます)
- 距離の認識が難しい
- スポーツ全般が苦手
- 大人の場合、慢性の肩こりや首の問題を持つ
(どこを読んでいたかわからなくなる)
(例えば、右利きの場合、ノートの左側に書くのが困難)
(トラッキングは、読んだり・書いたりするときに必要な目の動きのこと)
対称性緊張性頸反射
Symmetrical Tonic Neck Reflex(STNR)
- 赤ちゃんのはいはい時期が通常より遅れる
- 手と目の協調の困難
- 猿のような歩き方
- 筋緊張が低い(特に背筋)ために、机ででの姿勢が悪かったり、机に倒れこむ
- 手元から黒板のように遠くに視点を動かす動作で目が疲れやすい
- 黒板の文字を写すのに時間がかかったり、情報の見落としが多い